映画『父と僕の終わらない歌』は、音楽によって家族の絆を取り戻す感動作として話題を集めています。
そのストーリーの背後には、イギリスで実際に起きた親子の実話があるのをご存じでしょうか。
この記事では、
『父と僕の終わらない歌』の元ネタとなった実話の内容や、映画での改変ポイント、原作との違いについてわかりやすく解説します。
『父と僕の終わらない歌』の元ネタは実話？モデルになった感動のエピソード
- 『父と僕の終わらない歌』の元ネタの起源とは？
- 実際の父と息子に起きた奇跡のストーリーとは？
『父と僕の終わらない歌』の元ネタの起源とは？
映画『父と僕の終わらない歌』の元ネタは、イギリスで話題になった実在の親子・マクダーモット家の実話です。
父テッド・マクダーモットさんはアルツハイマー型認知症を患いながらも、息子のサイモンさんと車中で歌う姿をYouTubeに投稿。
その映像が6,000万回以上再生される大ヒットとなり、世界中から称賛を集めました。
この反響をきっかけに、テッドさんは“イギリス最高齢の新人歌手”としてCDデビュー。
彼らの体験はノンフィクション書籍『The Songaminute Man（邦題：父と僕の終わらない歌）』として出版され、のちに映画化のきっかけとなりました。
実際の父と息子に起きた奇跡のストーリーとは？
実話では、音楽が父の記憶を呼び覚まし、失われつつあった親子の会話が“歌”を通して再びつながる様子が描かれています。
息子サイモンさんは動画の広告収益をアルツハイマー支援団体に寄付し、多くの人々がその行動に心を動かされました。
原作に込められたテーマは「記憶は薄れても、音楽と愛は残る」。
映画版もこのメッセージをしっかり受け継ぎながら、新たな形で描いています。
『父と僕の終わらない歌』の原作との違いと映画での改変ポイント
- 映画版での主な改変点
- 原作と映画のテーマの違いとは？
- 実話と創作の境界線
映画版での主な改変点
映画『父と僕の終わらない歌』では、舞台をイギリスから日本（横須賀）に変更し、登場人物名や家族構成を一新しています。
父・間宮哲太（演：佐藤浩市）は、かつて歌手を夢見ていた元ミュージシャン。
息子・雄太（演：横浜流星）との再生を描くオリジナル脚本となっています。
さらに、映画版では病気そのものの描写よりも「家族の関係性」に焦点を当てた構成。
母・律子や地元の人々の存在が強調され、よりドラマチックな展開になっています。
監督の小泉徳宏氏は「実話の再現ではなく、家族の愛を再構築する物語として描いた」と語っています。
原作と映画のテーマの違いとは？
原作（実話）は、YouTubeでの成功を中心に描いたドキュメンタリー的な作品です。
一方、映画では「音楽を通して失われた家族の絆を取り戻す」というヒューマンドラマの要素が強化されています。
また、原作では動画投稿や寄付活動が注目されていますが、映画ではライブイベントをクライマックスに設定し、感動の頂点を演出しています。
この変更により、映画はより感情的で映画的な感動へと昇華されています。
実話と創作の境界線
『父と僕の終わらない歌』は、実話をもとにした作品ではありますが、多くの部分が創作として再構築されています。
特に父の過去、母との関係、ライブ演出などは映画独自の展開です。
しかし、「音楽が家族を結びつける」というメッセージは実話・原作・映画のすべてに共通しており、
“音楽が記憶と愛をつなぐ”というテーマは変わらず貫かれています。
『父と僕の終わらない歌』の元ネタ・原作・映画改変まとめ
- 元ネタはイギリスの実在する父子の実話『The Songaminute Man』
- 映画では日本を舞台に置き換え、設定や登場人物を大幅に脚色
- 原作はドキュメンタリー調、映画は家族再生のドラマとして再構成
- 音楽が記憶と絆をつなぐというテーマはどちらにも共通している
