ディズニーシーの人気アトラクション「タワー・オブ・テラー」に登場するシリキ・ウトゥンドゥ。
その不気味な笑い声と光る目に、思わず背筋が凍る人も多いのではないでしょうか。
しかしこのシリキ・ウトゥンドゥ、単なる“恐怖のマスコット”ではなく、
**深い物語と独自の世界観を持つ“呪いの偶像”**なのです。
この記事では、
「シリキ・ウトゥンドゥの元ネタ」「呪いの正体」「海外版との違い」
について詳しく解説していきます。
シリキ・ウトゥンドゥの元ネタとは?呪いの偶像の正体を解説
- シリキ・ウトゥンドゥとはどんな存在?
- 名前の意味とスワヒリ語の由来
- 呪いの偶像とされる理由
- 実在の民族や伝承が元になっているのか
シリキ・ウトゥンドゥとはどんな存在?
シリキ・ウトゥンドゥは、東京ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」に登場する呪いの偶像です。
19世紀の冒険家・ハリソン・ハイタワー三世がアフリカの探検で手に入れた像という設定で、
その夜に彼がホテルのエレベーターで行方不明になる、という不気味な事件が物語の中心となっています。
この像は、**ムトゥンドゥ族(Mtundu tribe)**という架空の民族が崇めていたとされ、
触れてはならない、侮辱してはならない神聖な存在として描かれています。
名前の意味とスワヒリ語の由来
「シリキ・ウトゥンドゥ(Shiriki Utundu)」という名前は、スワヒリ語がモチーフとされています。
“Shiriki” は「参加する」「関わる」といった意味を持つ単語で、
“Utundu” は「いたずら」「悪戯」「悪意」といったニュアンスを持つ言葉です。
そのため、合わせると**「悪しき力に関わる者」「災いに触れる者」**というような意味合いになります。
作中では「災いを信じよ(Believe the curse)」とも訳され、
呪いを象徴する名前として創作されたと考えられています。
呪いの偶像とされる理由
シリキ・ウトゥンドゥは、ただの装飾品ではなく、**“8つの掟”**を持つ神聖な像とされています。
その掟を破ると、呪いが発動するという設定です。
たとえば──
- 火を近づけてはならない
- 侮辱してはならない
- 他人に渡してはならない
- 密閉された場所に閉じ込めてはならない
ハイタワー三世はこの掟を無視し、像を「ただの彫刻だ」と侮辱してしまった結果、
呪いによって姿を消したと語られています。
実在の民族や伝承が元になっているのか
シリキ・ウトゥンドゥには実在する民族や神話の明確なモデルは存在しません。
アフリカの精霊信仰や呪術、偶像崇拝の要素を取り入れたディズニーオリジナルの創作設定です。
“ムトゥンドゥ族”という名前も実在しない架空の民族名であり、
「探検家が神聖な遺物を奪い、呪いを受ける」という物語構成は、
古典的な冒険譚やホラー作品に見られる定番のパターンを踏襲しています。
海外版タワー・オブ・テラーとの違いと物語の背景
- 東京ディズニーシー版の物語設定
- アメリカ版・ヨーロッパ版との違い
- ハイタワー三世と呪いの関係
- シリキ・ウトゥンドゥが象徴するテーマ
東京ディズニーシー版の物語設定
東京ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」は、アメリカの“トワイライトゾーン版”とは異なり、
完全オリジナルの物語が作られています。
アトラクションの舞台は1900年頃のニューヨーク。
ハイタワー三世は探検家として世界中の秘宝を収集し、その傲慢さから人々に恐れられていました。
ある夜、シリキ・ウトゥンドゥを自慢げに披露した直後、
彼はホテルのエレベーターで謎の失踪を遂げるのです。
その後、ホテルは閉鎖され、現在は「ニューヨーク文化保存協会」が管理している──
というストーリーで、ゲストはその調査ツアーに参加する形で物語が進行します。
アメリカ版・ヨーロッパ版との違い
アメリカやパリなどにある「タワー・オブ・テラー」は、
1950年代のテレビ番組『トワイライトゾーン』をモチーフにしており、
“異次元のエレベーター事件”というSF的なストーリーが軸になっています。
一方、東京ディズニーシー版ではこの要素を排除し、
**「呪い」「因果」「冒険家の傲慢」**というテーマを重視。
そのため、ホラー的でありながら神話的な深みを持つ作品に仕上がっています。
ハイタワー三世と呪いの関係
ハイタワー三世は、シリキ・ウトゥンドゥを“ただの土産”として見下し、
現地の掟を無視して持ち帰りました。
しかし、像は彼の傲慢さを許さず、呪いによって彼の命を奪う存在となります。
この構図は、**「傲慢への報い」「人知を超えた力への敬意」**を象徴しており、
ディズニー作品の中でも珍しい“教訓的ホラー”として高く評価されています。
シリキ・ウトゥンドゥが象徴するテーマ
シリキ・ウトゥンドゥは、単なる恐怖の象徴ではなく、
「自然や信仰を軽んじた人間が受ける報い」を示す存在です。
未知の文化を侮ることの危険性や、人間の傲慢さへの警鐘を描くこの物語は、
テーマパークのアトラクションでありながら、
まるで一編の寓話のような深いメッセージを秘めています。
シリキ・ウトゥンドゥの元ネタと呪いの正体まとめ
- シリキ・ウトゥンドゥはディズニーシーのオリジナル創作による“呪いの偶像”
- スワヒリ語をモチーフにした造語で、「災いを信じよ」という意味を持つ
- 実在の伝承には基づかないが、アフリカの精霊信仰を参考にしている
- アメリカ版タワー・オブ・テラーとは異なり、“呪いと傲慢の報い”をテーマにしている
このように、シリキ・ウトゥンドゥはディズニーが生み出した**完全オリジナルの“呪いの伝説”**です。
その不気味な笑みの裏には、人間の欲望と信仰の物語が隠されているのです。